骨董物語

椅子の画

子供たちが巣立った頃から、子供とは対照的な骨董に引かれ始めた。私はもともと物に執着しないたちだし、残り時間を意識する年代に入っていよいよ物を持つのが煩わしくなるばかりのに、骨董だけはどんどん増えて、小さな住居を埋めてしまった。だからこれは物ではない、美しい時間の結晶なのだと思うことにしている。この結晶を凝視めると、昔の光が魔法のように蘇り、魅惑のタイムトリップが始まるのである。

その壱

まずは今年の干支である竜を主題にした作品をピックアップしてみよう。私のコレクションの大半は竜が大好きな中国の陶磁器だから、竜の絵柄はあり過ぎるほどあって選択に迷ってしまう。


清朝の乾隆帝(1735〜1795)の宮廷で使われた器
清朝の乾隆帝の宮廷で使われた器

闇屋から買った乾隆帝の官窯
闇屋から買った乾隆帝の官窯

十八世紀に英国で作られた大鉢
十八世紀に英国で作られた大鉢

清朝中期の高位の人が着たローブの袖口
清朝中期の高位の人が着たローブの袖口

清朝後期の皇后のローブの裾
清朝後期の皇后のローブの裾

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