骨董物語

その壱 「竜」
清朝の乾隆帝(1735〜1795)の宮廷で使われた器


清朝の乾隆帝(1735〜1795)の宮廷で使われた器


 清朝の乾隆帝(1735〜1795)の宮廷で使われた器である。端然としたシェイプの非常に薄手の繊細な鉢で、多分冷たい汁物に使われたものだろう。夥しい竜が描かれているが、その爪は必ず五本ある。当時は五本爪の竜は宮廷で使用する物にしか許されなかったので、竜の爪を数えると、その器が官窯か民窯かわかるのだ。そして宮廷の外でも、四本は上流階級、三本なら庶民相手と、竜の階級が決っていた。現代では勿論そんな規制があろうはずはないから、どんなに安物のラーメン丼でも堂々五本爪の竜が描かれているが、本当に古い器は厳然と爪差別があって面白い。

清朝の乾隆帝(1735〜1795)の宮廷で使われた器

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