*** ワンギリ報道への異論 ***

ワンギリについて、WEBやテレビのワイドショーでまったく同様の趣旨で報道されているが、問題は「ワンギリについてのチェーンメール」にあるのではなくて、ワンギリそのものがどのくらいの被害を与えているか、という点だ。

私の周囲でも、10人のうち8人が被害に合っているし、実際に「かかってきた番号をリストと照合したら合っていた」というケースも多数ある。
つまり、情報のなかには正しいものもあったし、それによって防げた人もいたわけだ。

「かけなおさなければお金はかからない」というのも大嘘だ。
なぜなら、その分、通話料金が利用者負担となるからだ。
ひとりがたった10円であっても、被害総数が大きければどうだろう。
たとえば、ドコモの加入者3000万人のうちの80%が最低1回被害に合い、
そのうち半数がかけなおしをしていたとしたら、1200万人。
1000万人が10円使ったら、それだけで1億円がドコモの収益となる。
利用者が怒る相手は、ワンギリ業者だけではないともいえるかもしれない。
(もしかしたら、どこかのキャリアが起死回生を狙って仕掛けたとか・・・<これは絶対にウソです。冗談なので本気にしないでね)

ジャーナリストは、一部の情報だけで物事を判断するような記事ではなくいろいろな側面も取材すべきなのに、総務省その他行政の対応を含め、すべて「チェーンメールが悪い」という方向での発表をしている。
本来は、そうした悪徳商法を防ぐためにいかに正しいチェーンメールが必要か、というほうがよほど重要だ。

今回のワンギリおよび猛威を振るったウイルスについて、私の周囲ではメーリングリストが大活躍した。
女性起業家100人ほどが参加する「W−SOHOリーダース」では、チェーンメールを転載した書き込みに対して数人が情報を寄せ、最終的に、ワイズスタッフの田澤さんがまとめて紹介してくれた。(初心者のためのウィスル対策マニュアル  http://www.5012.jp/contents/info/virus.htm)

こうした対策マニュアルつくりも、チェーンメールがあったからのことだし、なんでもかんでも「チェーンメールが悪い」という書き方は初心者の誤解を招く。

と、ここまでの文章を同MLに流したところ、下記の返信をもらった。

>淳子さんからのお知らせが来る直前に、たまたま友人が同じ情報を回してくれました。私も友人に警告のメイルを出したところ、既に実際に当該電話がかかってきたけど、たまたま放っておいたという人がたくさんいました。ワンギリという言葉を知ったのもこの情報でした。
>たとえ10万円云々がないにしても、そういう電話がかかってくるおそれがあること、不信・迷惑メイルには今後も手を出すなという警告を促す意味では、この情報は大いに価値があるものだと思いました。
>そもそもワンギリ自体、間違い電話ででもなければ、相手に対して失礼この上ない。
>チェーンメイルは全て悪とする考え方は、ゼロリスク探求症候群(国立犀潟病院の池田医師のコラム http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/bse.html)
に近いものがあります。

情報が手軽に入手できるようになったからといって、すべての情報が正しいとは限らない。
しかし、だからといって、簡単に入手できる情報がすべて間違っているとも言い切れない。

チェーンメールには「血液が足りない」という深刻ネタやウイルスネタなど、真偽がわからないものの「とにかく知らせよう」と思わせるネタも少なくない。そして、チェーン化する理由は「知り合いから来た」ことによる。
もしまったく知らない人から来たものなら、行動を起こすほど心を動かされるだろうか。
あるいは「自分の仲間(友人・知人)」だから「知らせたい」のであって、相手がいなければ情報は流布しない。
「友達の友達は皆友達だ」という能天気な考え方も尊重すべきではないだろうか。


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