*** いい女の失恋 ***

いつも元気いっぱいのone of Junkosが、会ったとたん、
「私、ちょっと痩せてません?」と言うので、
「うーん、確かにちょっと、小顔になったかなあ」と返したところ、
「実は、食欲がないんです」と、目を伏せる。

「どうしたの? 胃でも調子悪いの?」
「実はぁ。暗いんですぅ、私」

聞くともなしに聞いてみると、どうやらHeart breakらしい。
活発で社交的な彼女に、彼がついていけなくなったのではないかと思う。

「いなくなったと思ったらね、急に『私って、彼のことをこんなに愛してたんだ』ってわかったんです」と言うので、
「私なんか、飼ってたウサギが死んだときだって淋しかったよ。そばにいたものがいなくなれば、ハムスターだって、カブトムシだって淋しいものよ」と慰めた。
「ジュンコさん、仕事ばっかりやってるんですよね。私もこれからは仕事をもっとがんばろう」と言うので、「運気が落ちてるときは何をやってもダメになることが多いから、がんばっても無駄になるだけだよ」とアドバイスした。

これはとっても大切なことで、私が友人からもらったアドバイスのなかでもピカイチのアドバイスだと思う。その人が言ったことは、
「調子が悪い、思うようにいかない、ついてない、など、運気が落ちてるなと思ったときは、思い切り落ちなさい」というものだった。

「速度をつけて、落ちるだけ落ちれば、どん底から上がるときに拍車がかかる。途中でがんばったりしてふんばってしまうと、どん底から這い上がるためにはまた別のエネルギーが何倍も必要になると思いなさい」

そういうわけで、失恋したときは無理せず、じっとして時の流れに身をまかすしかない。
失恋というのは、見えないけれど心に傷ができている状態、つまり、病人と同じ。
治すには安静がベスト。
ぼうっとして過ごしていても、なにか始まるときはひとりでに周囲が動いてくれる。それまでは自分で動いたり、がんばったりしないことだ。
自然にしているということは、『やめる』という決断でさえもしてはいけないのだ。

「ああ、こんな暗い私って、カッコ悪い」

きっぱり言い切って立ち上がるところが彼女らしいと思った。
こんないい女を捨てる男なんて、未練感じる必要ないよ!
きっと、もっといい男が見つかるって。

「見つかりますかねえ」
「だいじょぶ、だいじょぶ」

失恋はいい女をつくるスパイスだよ。


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